top of page
logo_icon.png

第4回 慢性腎不全の検査

慢性腎不全で体内に老廃物が溜まっていくため、老廃物の溜まった量を知ることで、慢性腎不全の程度を知ることが出来ます。

★血清クレアチニン(Cr) 男性:1.2㎎/dl以下 女性:1.0㎎/dl以下

  • 血液中のクレアチニン濃度は腎機能が低下すると体内にたまってくる老廃物の代表です。正常な腎臓ではクレアチニンは100%濾過され、体外へ排泄されます。一般的に腎機能を評価する指標として使われます。

  • 腎機能が低下すると、クレアチニンは体内に蓄積し、血清クレアチニン値は上昇します。

  • 血清クレアチニンが8.0㎎/dl以上になると身体の維持が難しくなるため、透析により老廃物や余分な水分などを身体から除去することが必要になります。

★尿素窒素(BUN) 8.0~22.0㎎/dl 

  • クレアチニンと同じように腎機能が低下すると体内に溜まってくる老廃物の一つです。食事から摂取したたんぱく質が分解され、アミノ酸を経てアンモニアとなり、アンモニアは肝臓の尿素回路で代謝され尿素となります。尿素は糸球体でろ過されたあと、約50%は尿細管で再吸収されます。

  • 食事(エネルギーや蛋白質の摂取)に影響を受けやすいので食事療法がうまく行われているかの指標となります。

★電解質 

  • 腎不全が進行するとカリウムの排泄が悪くなり、身体に蓄積してきます。カリウムが過剰に蓄積し、血中のカリウム濃度が特に高く(K値:5.5mEq/L以上)なると、不整脈や心停止の原因となりやすいため注意が必要です。カリウムの基準値は3.5~5.0mEq/Lです。

 

  • 腎不全が進行するとリン(P)が蓄積されます。リンは血中のカルシウム(Ca)と結合するため、カルシウムにも影響を及ぼします。カルシウムとリンのバランスが崩れると、骨がもろくなったり、余計な石灰沈着を引き起こす原因となります。また、急性の高リン血症では低カルシウム血症によるテタニー症状が出現することがあります。血中カルシウム(Ca)の基準値は8.8~10.4㎎/dl、血中リン(P)の基準値は2.5~4.5㎎/dlです。

 

  • テタニー症状とは手指や口唇のしびれ感や筋攣縮などの症状や特徴的な徴候がみられることです。

 

★貧血

  • 腎臓から作り出されるエリスロポエチンが減少すると貧血となります。極端な貧血が出現する場合は、注射によりエリスロポエチンの補充をして貧血を改善する必要があります。

bottom of page