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第2回 慢性腎不全とは

  • 慢性の腎臓病もしくは慢性的な全身疾患からの腎障害が悪化して、腎臓の機能が徐々に低下し、老廃物等が身体に蓄積してきた状態を慢性腎不全といいます。さらに進行すると身体の中の環境を一定に保てなくなり、透析をしないと身体を維持できない状態となります。

  • 慢性腎不全がさらに進行し、腎機能が不可逆的に著しく低下した状態を末期腎不全といいます。末期腎不全になると体液の恒常性が維持できなくなるため様々な尿毒症症状が出現します。また高血圧、浮腫、貧血、心不全兆候などの症状も増悪します。

  • 慢性腎不全は糸球体濾過量(GFR)で表される腎機能の低下もしくは腎臓の障害を示す所見が3か月以上持続するものと定義されています。腎臓の障害を示す所見の中でも、心血管疾患のリスクで、慢性腎臓病の進行因子でもある蛋白尿(アルブミン尿)が重要とされています。

  • 慢性腎不全は腎機能によっていくつかステージ分かれています。また、腎機能の悪化の段階より治療方法代わります。
     

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【保存期腎不全】

  • 透析を行わなくても食事のコントロールより老廃物蓄積を防ぐことで身体の維持が可能な段階です。

  • 基本的に明らかな自覚症状はありません。

  • 進行した慢性腎不全は回復することはないため、進行を抑えながら末期腎不全ならないようにするかが治療の目的になります。

【末期腎不全・透析期腎不全】

  • 保存期腎不全よりさらに腎機能が低下して透析をしなければ身体の維持が出来ないまでに陥ってしまった状態です。この段階は様々な症状が出現しやすくなります。

  • 腎障害の慢性的な進行は、原因疾患にかかわらず共通の機序で不可逆的にすすむと言われています。
     

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※1:糸球体過剰濾過により糸球体に圧がかかり糸球体高血圧となりますが、糸球体高血圧の増悪因子として高血圧、糖尿病、高たんぱく食などがあげられます。
※2:糸球体微小血栓形成の増悪因子として、凝固能や脂質異常症があります。

  • 慢性腎不全と心血管疾患は危険因子の多くが共通しているだけでなく、相互に発症や進行に影響を及ぼします。この心臓と腎臓の強い相互関係を心腎連関(腎心連関)といいます。さらに、心臓と腎臓は脳が自律神経系で制御しているため、脳も含めて脳心腎連関とよぶこともあります。
     

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