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第8回 腎不全(保存期)の食事療法
慢性腎不全の治療は、適度な運動と食事療法が基本です。食事療法を取り入れることで、腎不全の進行を抑制し、透析導入を回避または遅延させる効果が期待できるといわれています。
【食事療法】
過食や偏食をひかえ、1日に必要なエネルギー量の中で炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂ることが大切です。
・急激に痩せないように十分なエネルギーを摂取しましょう
・たんぱく質を多く含む食品を控えましょう
・塩分を控えましょう
・カリウムを多く含む食品を控えたり調理により減らしましょう
①エネルギー
人間が生きていく上でエネルギーは必要不可欠なものです。身体を保持し、生活していく力のことです。それぞれの栄養素からエネルギーが作り出されます。カロリーはエネルギーの単位のことです。
年齢・性別・合併症・活動量を考慮し、個々に適した1日の総エネルギー摂取量があります。
総エネルギー摂取量(kcal)=標準体重(㎏)×活動量(kcal)
※標準体重の求め方
身長(m)×身長(m)×22=標準体重(㎏)
※活動量
1.軽い労作(大部分が座位の静的活動):25~30(kcal)
2.普通の労作(座位中心だが通勤・家事、軽い運動を含む):30~35(kcal)
3.重い労作(力仕事、活発な運動習慣がある):35~(kcal)
②たんぱく質
たんぱく質は体内では血液や筋肉など身体を組織するものとして重要です。成長や発育に使われ、老化や身体回復にも使われます。
個々の腎機能に合わせたたんぱく質の量を摂りましょう。
たんぱく質量=標準体重×0.5~0.8(g)
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たんぱく質は肉・魚・卵・大豆製品に多く含まれます。
③食塩
食塩の成分であるナトリウムが体内に貯留すると体液が増え、交感神経を緊張させたり血管を収縮させるなど、血圧を上げる作用があります。
高血圧によって血管に負担がかかり続けると、腎障害・心不全・脳梗塞などの重大な病気を引き起こします。
食塩、調味料、塩分含有量の多い食品を把握し、食塩摂取量を管理しましょう。通常の食事より味が薄くなるため、うまみや香辛料・酸味等を使い、味付けに工夫をすると良いです。
1日の必要な塩分量は3g以上6g未満
※むくみなどのある場合は3g以下にすることもあります
![vol08_fig02.jpg](https://static.wixstatic.com/media/dc0af2_ba274c35d268446f9fbc00539ca424de~mv2.jpg/v1/fill/w_173,h_133,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_3,enc_auto/vol08_fig02.jpg)
塩分は調味料・加工品・漬物に多く含まれます。
➃カリウム
正常な腎臓はカリウムを尿中に排泄し調整していますが、腎機能が極度に低下すると尿中に十分排泄されず、血液中にたまり高カリウム血症(不整脈、心停止)を引き起こす原因となります。日常的に食べる食品のカリウム含有量を把握し、摂取量を管理しましょう。
カリウムの摂取量は腎不全のステージによって変わります。
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![vol08_fig04.jpg](https://static.wixstatic.com/media/dc0af2_374afe80d1ba4a5f95a08a129609b648~mv2.jpg/v1/fill/w_165,h_108,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_3,enc_auto/vol08_fig04.jpg)
カリウムは主に生野菜、イモ類に多く含まれています。カリウムは水に溶けやすく、次の調理方法により減らすことが可能です。
・食品を細かく切る
・出来るだけ長時間水にさらす
・たっぷりの水で茹でこぼす
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